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2009*03*31 Tue
22:42

イロイロ考えちゃうよ~

今現在新しい小説考えてます。ていうか書いてますw

三枚羽は少しお休みです。

今回は普通の学校生活で部活をする話。演劇部ですよ、演劇部。

ありきたりだけどその中でキャラをどう変化させていくかが問題だよね。

頑張ってます。


そして弱音を一つ。

ギリギリになるまで行動しない自分ってやっぱり最悪だと思うよ・・・・
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2009*03*23 Mon
22:47

使用ワード 「涙、出会い、感情、仲間」

文化祭当日。
 この高校では一般公開をしているため近辺の住民や生徒の関係者、卒業生など在学中の生徒以外も来訪し大いに賑わっている。
 そんな中、出番を部室で待っている一年五組出席番号四十五番、羽山歩条(はやま ふじょう)はまるで凍り漬けにされたかのように直立不動で固まっていた。漆黒の帽子、服、マント、仮面と怪人の如く服装をしている。羽山歩条は演劇部に所属しており、今日はその講演会。演目は『怪人二十面相』をアレンジしたものである。

 「落ち着け俺、落ち着け俺、落ち着け俺、練習通りにやればできる、できる、できる」

 呪文を唱えるかのようにぶつぶつ小さな声で繰り返し同じことを呟く。周りの生徒から「大丈夫だって、あんなに練習したじゃん」と何度も声をかけてもらっているが本人には気休め程度にしかならない。
 今日は入部してから初めての講演会日でもあり、緊張して昨晩は眠れなかった。

 「失敗したらフォローしてあげるわよ。そのかわり部の人気度数が下がるけど」

さらりと上げて落とす。その声は羽山のすぐ横から聞こえた。

 「八代……」

 同じく一年の八代結衣(やしろ ゆい)は羽山とは反対に落ち着いており、本を読む他事をやってのけている。こっちは肩を超える長さの髪を名古屋巻きにし、頭にはティアラ、服には純白のドレスを着ている。容姿もいいので座っているだけで息をのむ美しさである。

 八代を見ながら羽山は一瞬微笑を浮かべるが一気に嫌そうな顔になり声のトーンを落とす。

 「それは元気づけてるのか脅しなのかどっちだろうね?」

 演劇部への入部数が年々減少しているため、文化祭などの大きな催しものは絶好のアピール場所なのだ。ここで成功すれば入部生増える可能性が出てくることもあり部員は張り切っている。

 「私たちは曲がりなりにも同じ部の仲間なのよ。決まってるじゃない―――」

 読んでいる本から目を逸らさないまま言葉を続ける。

 「脅しよ」

 「何でじゃい! 微妙に予想してたけど改めて言われると無性に悲しくなるよ!」

 周りからクスクスと微かに笑い声が聞こえてくる。
 一年生コンビのやり取りは日常茶飯事で他の部員からもお笑いのように見られている。

 「ていうか何読んでるんだよ?」

 「見てわかるでしょ、小説よ。羽山も本くらい読んだらどう?新しい出会いに胸がドキドキするわよ」

 全くの無表情で言われてもまるで説得力がなかった。普段から感情を顔に出さない彼女のギャップがいいという男子も大勢いるとかいないとか。

 「そうじゃなくて! 本番前だから台本チェックするとかあるだろ!」

 「問題無いわ。台本は完璧よ。全登場人物のセリフ、立ち位地や出方まで全て暗記してるわ。なんなら今暗唱しましょうか?」

 ぐうの音も出ない。おそらく八代より台本の中身を覚えてるのは部員の中でもシナリオ作成者くらいか?それでも暗唱はできまい……。

 「そ、それでもそれっぽいことそれらしくしろよ!」

 動揺しながら『それ』という代名詞を連呼する。そして、八代が読んでいる小説を横から取り上げる。

 「ちょっと、涙ボロボロ流す感動場面のラストスパートなんだから。返してよ」

 座ったまま手を本に向かって左右の手を交互に動かす。羽山は取られないよう高々と上に掲げる。

 「感動の場面ならどうして泣いてないんだよ?」

 「私の涙はこんな本で流すほど安っぽいものじゃないの」

 「せめて目を潤ませるくらいしてください! 作者に失礼だよ!」

 「それよりも羽山こそ台本見てたほうがいいんじゃない?」

 至極正論。
 だが羽山のツッコミは完全にスルーされた。
言い返す言葉もなく羽山がうなだれ上げていた手を下ろす。それを見計らったのか「早く本を返しなさい」と八代は再び手を伸ばしす。
だが―――「きゃ!」と軽く叫び声をあげる。勢いをつけすぎたのか椅子から転落しそうになり羽山にしがみつく。

 「ちっ……」

 八代は舌打ちと同時に体を素早く離す。

 「しがみついておいて舌打ちですか……」

 羽山に対してなのか自分のミスに対してなのか。謝らず舌打ちとは……。

 「緊張がいい具合に解けたね羽山。仲睦まじいことはいいことだよ」

 「部長……。まあ解けたっちゃ解けましたけど、今度は士気が下がりそうです……」

 肩を竦める羽山に部長は苦笑いを浮かべながら「ま、まあこの調子で本番は頼むよ」と羽山と八代の肩をポンと叩く。
するとノックが二回され、「演劇部さん、そろそろ出番になりますので準備をお願いします」と文化祭実行委員が出番を知らせに来た。
 知らせを聞いて部長が部員全員を呼び円陣を組ませる。

 「皆行くよ!精一杯楽しもう!」

 部長の一言に『はい!』と部員全員が大きく声をあげる。

 「っし、行くか」

 羽山が持ち込む小道具の確認を終え、八代に言う。

 「あんたとのやり取りも気を紛らわす程度にはなったわね」

 「ん? ひょっとしてお前も緊張してたのか?」

 「冗談言わないで。暇な時間が嫌いなだけよ」

 (これが俗にいうツンデレ?)

 羽山の考えに対し、まるで心の中を読んだかのように「あ、そうそう。私にデレはないから」と言い切る。
 
「『ツン』オンリーですか! ありえねえ!」

 衝撃の発言に羽山は目眩を覚える。

 「君達、いちゃつくのはいいけど急いでね!」

 見兼ねた部長が羽山と八代の手を重ねた状態で舞台へと引っ張っていく。

 「いちゃついてなんていないですって! ていうか一人で歩けます! 歩かせて!」

 顔を赤くし、恥ずかしそうに羽山が否定し懇願する。
 
 「……ほんと馬鹿」

 前と横の二人が気付かない程度の音量で八代も恥ずかしそうに呟く。今日初めて感情を顔に出したかもしれないが二人は気付かない。

 (赤くなっているのを見られたら見られたで、また勝手に盛り上がられますね。特に羽山とか)

 八代は部長に手を握られたまま羽山の手を本気で握る。

 「痛っ。何……?」

 「別に」

 訝しむ羽山の視線を無視する。

 「着いたよ。それじゃよろしく頼むよ、主役の二人」

 舞台袖のため部長の声は少し抑え目である。

 「はい!」

 「はい」

 二人が返事をするとビーという音と共に司会が紹介の言葉を告げる。
 そして舞台は幕を開けた。
 さあ、楽しもう。新しい始まりと共に。 *

2009*03*19 Thu
00:12

自然、魔法、駄目人間、脱出

ひぐらしが鳴く夏の夕方。夕方だろうと夏の暑さが容赦なく街を包み込む。

キーンコーンカーンコーン。

県内の高校では珍しい六階建ての学校からチャイムが鳴り響く。しかし今は夏休みのため生徒は誰もいない。一人を除いてだが。

その生徒、纏井 紡(まとい つむぎ)は屋上にいた。老朽化したフェンスに囲まれた屋上は生活音から隔離された平静な世界といえる。端の木陰で読んでいた小説を胸の上に置き、ただぼーっと空を眺めている。何を考えるわけでもなく何を思うわけでもなくただ眺めているだけ。たが、その静かな時間にもいずれ邪魔が入る。

キィという音と共に屋上の扉が開き、白いシャツに赤いスカートの少女が姿を現した。少女はそのまま高さ三メートルほどのフェンスに歩み寄り、下を見つめる。

数分が経つ。

そして、三度深呼吸をしたのちフェンスに足をかけ、よじ登ろうとする。

「死ぬの?」

纏井が少女に声をかけるとびくっと肩を震わした。誰もいないはずの屋上で声がしたのだ。誰だって驚く。

「だ、誰……?」

少女が怯えながら周りを見渡す。

「誰って聞かれると答え辛いな。貴重な青春時代を無駄に過ごすダメ人間って言っとく」

纏井は胸に乗せていた本を顔に被せ視界を閉ざす。少女は声の主が動いたことで位置が確認できたらしく視線を纏井に定めた。

「…………」

少女は纏井をじっと見つめたまま動かない。

「死ぬんじゃないの? 心配しなくても止めないからそのまま続けていいよ」

まともな人間ならばすることのない発言をあっさりと口にする。大低、自殺者を目の前にしたら無理矢理止めに入るか、係わり合わないよう無視するか、何らかの感情を抱き傍観するかのいずれかが多いだろう。だが、纏井は止めるでもなく無視するでもなく傍観するでもなく促すことを選ぶ。

「わ、私は……」

少女が後ずさり、フェンスに背中が当たる。

「死ぬ気がないのなら早く出ていってくれない? うっとうしいことこの上ない」

少女は纏井に反論しようと口を開きかけるが、言葉が出てこないのかすぐに口を閉じる。

そして、力無くズルズルと背中をフェンスに擦りつけ地面に座り込む。

「どうしてこうなっちゃったんだろう……。少し前までは皆とも仲良しだったのに……」

誰に話すわけでもなく震える声で呟く。

「『死』は、常に生き物と隣り合わせに存在する。今ここで君が飛び降りても『死』という概念が君と重なり合ったってだけのこと。不自然でもなければ不条理でもない。自然の摂理だよ」

纏井は顔から本をどかすと寝転んだまま顔だけを少女に向ける。少女の向こうに沈みかけている綺麗な夕日が見えた。

「『死』の概念に触れてこの世から逃げる。それは世界中で起こる有り触れたこと。恥じるべき事ではないよ」

纏井の言葉に諭されるように少女は手を強く握ると、フェンスにもたれながら立ち上がる。パキン。金属が折れた音がした。

「え……」

刹那―――加えられた力に耐え切れずフェンスのボルトが折れ、きぃっと音を立てながらフェンスが倒れた。それに伴い、支えを失った少女の体が屋上から投げ出される。

「…………」

纏井は無言でゆっくり立ち上がり、感情のカケラも見せずフェンスが倒れた場所へ近づく。すると「う……、うぅ……」とすぐ下から声が聞こえた。覗き込むと少女が辛うじて繋がっているフェンスに必死に両手でしがみついている光景が目に入った。纏井は心底呆れた表情で手を差し延べることなく、見下すに近い眼差しで見つめる。

「そのまま手を離せば願いは叶うよ。君が望むなら手伝ってもいいけど?」

あろうことか今にも完全に折れそうなフェンスに足を乗せる。

「う……、あ……、やめ……、た、助けて……、死にたくな……、死にたくないよぉ……」

少女は涙で顔をくしゃくしゃにしながら助けを求める。

「これだから思春期の学生は……。原因は知らないけど一回死ぬ気で来たんだろ? たまたま屋上に人がいて本音の一部を話したくらいで気持ちを揺るがすなよ。本当ならもう死んでるんだからさ」
話している間も少女の握力は無くなっていき、汗で手が滑りだす。

限界が訪れた。少女の両手がフェンスから滑り落ちる。

「……ちっ」

纏井は咄嗟に身を乗り出し少女の片腕を掴む。宙吊りになりながらも必死に纏井の腕にしがみつく少女からははっきりと生に対しての執念が見られた。

汗で滑らないようゆっくり少女を引き上げる。

「はい、タイムオーバー」

完全に引き上げるのと同時に扉が勢いよく開く。

「お前たちここで何をしている!」

教師が二人、焦った様子で屋上に足を踏み入れる。しかし、タイミングがいい。よすぎるといってもいい。フェンスが外れかけた音を聞きつけて来たわけでもなさそうだ。

「はいはい、後よろしくお願いします」

纏井は少女を教師に引き渡す。

最初に叫んだ教師がもう一度二人に問いただそうと口を開きかけるが、もう一人の教師に制止される。

「纏井、ごくろうだったな。今回は少し遣り過ぎだった気もするが。まあいいだろう、また頼むぞ」

「はいはい。屋上の鍵の保有が継続できるのなら頑張りますよ」

いつの間にか手に持っていた携帯を目線の高さまで持ち上げる。

教師二人は少女を連れて屋上を出ようとする。

そこで纏井が出て行く少女に向かって最後の言葉を口にする。

「言葉ってのは人間が唯一使える魔法なんだ。言葉一つで人間関係の形成、崩壊、自己や他人への暗示、究極、人の命さえも救える。君は今の段階ではもう死ぬ気はないだろう? そういうことだよ。友達との間が壊れてもまた再構築することはできるし、他の縁を作ることはできる。要は自分次第だよ」

言い終わる頃には少女の姿が見えなくなっていた。だが、言い終える直前少女は纏井を一瞥し、微かに唇を動かした。だが、本当に微かだったため何を伝えたかったかは分からなかった。
再び屋上に平穏が戻った。

纏井はため息をつくと最初にいた場所へと移動し、同じように寝転がる。どれくらい時間がたったのだろう。日がほとんど消えかけて、空にはすでに星が見え始めていた。

ポツリと纏井が呟く。

「『死』の概念からの脱出……。人は皆『死』に囚われている。だから人の命は尊い。だから人間は生きている限り精一杯生きなければならない。ここでいくら自殺願望者の命を救ったところで自分自身に付き纏う『死』からは逃げられないか……。あーあ、せっかく静かになったってのに考え事ばっかりじゃここにい続ける意味が無いな……。仕方ない、帰ろ」

纏井は体を起こすとポケットから『持ち出し厳禁』と書かれた札が付いている鍵を取り出し、屋上を後にした。
*

2009*03*12 Thu
23:54

ヤッターマン

以前伏見にある電気の科学館にヤッターマンの番宣で嵐の桜井君と深キョンが来ました。


P1000870.jpg

これがそのときの写真。

普通は関係者以外撮れないため、もちろん関係者に頼みましたよ?

でも写りがなあ・・・・・・。

もっとうまく撮れてたらよかったんだけどね^^;

就職活動中でこの深キョンの生写真を見て癒されていた自分、嫌いじゃなかった!!!!


あ、もちろん小説も書いてますよ?

最近は短編ばっかりだけどね!!! *

2009*03*02 Mon
22:47

筋肉、砂、接続、異常なまでの愛 で作った短編b

「はっ、はっ、はっ、はっ」

海沿いの砂浜を上下黒いジャージ姿の青年が走っている。

現在の時刻は午前四時十二分。季節が夏であるため朝でもまだ肌寒い。辺りは朝焼けに包まれている、人が出歩いている気配はない。聞こえてくるのは波の音と自分の呼吸音だけだった。しかし、青年の頭の中にはうるさいほど大量の声が駆け巡っている。声を振り払うように青年は砂浜をひた走る。どれだけ走っただろう。それすらも定かではない。今自分を襲うのは眠気と疲労、それと―――

青年が住んでいるアパートに着くと自分の家の前に大量の手紙が散乱していた。それを無視して扉を開ける。すると玄関にも大量の手紙が放置されており、中には血痕が混じったものもあった。それも無視してリビングに向かう。リビングには大量に年齢は十七歳前後だろうか、黒いショートカットでセーラー服を着、笑顔を浮かべている少女の写真が部屋中に隙間なく貼ってあった。もちろん青年が貼ったものではない。それも無視する。

青年は家電が点滅しているのに気づき留守番電話を聞く。

ピー、という音の後すぐに音声が流れる

『凛里君ですか。私です。どこにいるんですか? 今日も会いに来たけれどお留守だったようなのでお料理だけ作って冷蔵庫にしまっておきました。食べてくださいね?』

ピー。
『凛里君。今日も会えませんでしたね。でも私はいつでも凛里君のことを思っていますよ。凛里君もそうですよね?』

ピー。
『凛里君、今日隣にいた女性誰ですか……? 私以外の女の人を見ちゃ駄目ですよ。大丈夫、あの女の人はもう凛里君に近づけませんから』

留守番電話のメモリいっぱいに同じ人物からのメッセージが登録されている。

凛里と呼ばれた青年、早坂凛里(はやさか りんり)はそれでも尚留守番電話を聞く。

すると一通だけ違う女性の声が流れた。

『私だ。約束したのは明日だったな? 私はいつもどおり朝から学校にいるから心配するな。そのかわり遅刻はするなよ、私一人でやってもいいがそれでは意味がないからな』

声が途切れると再び声の主がさきほどのものへ変わった。そこで凛里は留守番電話を切り、シャワーを浴びに行く。

凛里は汗を流した後すぐに通っている大学へ登校した。


現在の時刻は五時四十分。通常学生が登校する時間ではない。だが、凛里の目の前にはダークスーツに身を包んだ女性が一人、足を組んでベンチに座っている。二人がいるのは正門から一番近いベンチ。もちろん二人以外人はいない。

「おはよう早坂。相変わらず今日もいい体つきをしている。暗い表情が玉に瑕だがね」

肩で切りそろえた茶髪を右手でいじりながら凛里の目を自前の蒼い瞳で見つめる。

「四季……。分かってると思うけど、好きで筋肉つけてるわけじゃない。それに暗い顔は余計だ」

「そう邪険にしないでくれ。私たちはある意味運命共同体なのだからな」

四季、夜桜四季(よざくら しき)は悪戯っぽく微笑を浮かべる。その表情からは可笑しいではなく、嬉しいという印象が取れる。例えるなら退屈している子供が新しい遊び道具を手に入れたような……。

「それよりも決着をつけるのだろう、準備はいいのか? 私は問題ないから後は君次第だ。おっと心配しないでくれ私はどんなことがあっても君の味方だよ」

「そりゃ頼もしい……」

凛里はため息まじりに呟くと四季の隣に腰掛けた。

時計を見る。時刻は五時四十八分。約束の時間までもう少し。

長い長い気が狂いそうだった日々ともこれでお別れ。今まで気が狂わなかったのは奇跡だといえる。

「少々早いがどうやら来たようだね。準備はいいかい、早坂?」

四季の言葉に恐怖を感じながら正門を凝視する。

十七歳前後の紺色のセーラー服を着た少女がゆっくりと正門をくぐる。

右手には包丁、左手には大型のナイフ。少女から感じる気配は……殺意のみ。

「凛里君、会いたかった。毎日携帯に電話しても出てくれないし、毎日自宅に手紙を送っても返してくれないし、毎日家に行っても誰もいないし、毎日直接この学校に来ても登校してないし、私は毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日いつでもどんな時でも凛里君のことしか考えていないのに、凛里君はまたそうやって私の思いを踏みにじるのね……」

「こ、こいつは関係ない……! そ、それにお前とは別れたんだ! もう俺に付きまとわないでくれ!」

「大丈夫よ凛里君、私が悪い魔女からあなたを守ってあげるから。私がそいつを殺して凛里君の目を覚まさせてあげる!」

少女が両手の凶器を振り回しながら二人に向かって走り出す。

すると四季が立ち上がり凛里より一歩前に出る。

窺える表情に恐怖や困惑といったものはなく、あるのはただ面白いという感情だけだった。

「私を狙ったのが運のツキだったな……」

四季は邪悪な笑顔を浮かべたまま少女に向かって自らも走り出す。

決着は一瞬だった。

四季が右足で少女が持つ両手の凶器を蹴り飛ばし、体勢を崩した少女を仰向けに地面に倒し踏みつける。

「ぐふ……!」

腹を踏むつけられた少女から苦しむ呻き声が聞こえる。

「弱いね。早坂が一向に君を対処しないからどんなものかと思ったけど、こんなものか……。でも私に与えた非日常には合格点をあげよう」

四季は少女をさらに強く踏みつけると、今度はわき腹を蹴る。

少女は地面を転がりながらさっきよりも強く呻き声を上げ、激しく咳き込む。

「おいおい、そんな怖い目で見るなよ。私が悪者みたいじゃないか。あ、そうそう。安心してくれ、もうすぐ警察も来たみたいだ。でも逃げようとは考えないことだね。そうなるとさすがの私も動けなくなるまで君を痛めつけるしかなくなる。いやはや正当防衛というのは恐いね」

静かな朝にパトカーのサイレンが響き渡る。すると警察官が三人正門に現れ、少女を逮捕しにかかる。

この光景を見て早坂はただ呆然と立ち尽くすだけだった。

半年ほど執拗にストーキングされていた生活もこれで終わる。何度警察に通報しても証拠がないため捜査はできないと言われ、ただ現実を怖れて今までを生活していた。その間も親しい友人や彼女もできたがこの少女の手によってことごとく仲を引き裂かれた。前の彼女に至っては殺人未遂の事件にまで発展した。

少女の行動は予測できないもので、そのうち殺されるかもしれないと絶望の中を彷徨っていた。そこで救いの手を差し伸べてくれたのが四季だった。本人曰く退屈な日常に適度な刺激が欲しかったらしい。結果、望みどおり少女に命を狙われるはめになった。

今回は「そろそろ飽きたから捕まえるか」と四季の気まぐれで実行された。ストーカー行為で逮捕できないのなら銃刀法違反でも何でも適当な理由をつけて逮捕させる方法を取ったのだ。

「凛里君助けて! 離れ離れになりたくない! 誰よりあなたを想っているのにどうして私を遠ざけるの! イヤ、離して、凛里君凛里君凛里君凛里君!」

 少女は警察に取り押さえられながら凛里に向かって必死に手を伸ばす。

 「…………」

この少女には何を言っても意味がない。これは凛里が半年間苦しんだ中で唯一導き出した答えだ。ただ怨みを込めた視線を送るしかない。

その視線に少女は何を思ったか笑顔を浮かべさらに手を伸ばそうとする。だが、その手は四季によって踏みつけられた。

ヒールの踵で踏みつけられた痛みは計り知れない。少女は一瞬怯むと警察が完全に少女を押さえ込み手錠をかける。そしてそのままパトカーへと連れて行かれた。

「終わった……のか……?」

「終わったんじゃないか? それよりも朝から動いて眠い。ここからなら君の家のほうが近いな、私を寝かせてくれ。それで今回のことはチャラにしよう。なに、多少部屋が厄介なことになっていても私は気にしないさ」

いつでもどこでも眠れるのが私の特技なんでね、と四季は付け足す。

「そんなのでいいなら喜んで寝床を提供するよ」

凛里はここ何ヶ月かぶりに笑顔を浮かべた。

二人は学校をサボることにし、凛里の家へと向かった。


四季は凛里の部屋に入るなり、すぐベッドに横になって寝息を立てた。その間わずか数十秒といったところか。本当にいつでもどこでも眠れるんだなと凛里は呆れながら感心する。

「それじゃ俺も寝るか……。あれ以来まともに眠ったことなんてなかったし……」

あくびをかみ締めながら凛里はベッドの下に薄い毛布だけを被って横になる。

目を閉じるとすぐ横から寝息が聞こえてくる。この寝息もいい子守唄に聞こえる。

ふと違和感を感じた。四季はベッドの上に寝ているのに真横から寝息が聞こえてくるのはありえないのではないか……?

そう思った瞬間―――「が……ぐふ……がは……!」ベッドの上から過呼吸のような呻き声が聞こえてきた。

凛里はたまらず目を開きベッドの下を覗き込む……。

「っ……!」

そこには―――「あははは、凛里君。私から逃げられるとでも思ったあ?」そこには……絶望の塊がいた。

右手には包丁、左手には大型のナイフ。そのいずれにも血がべっとりとついている。

少女の両手が凛里に向かって伸びる。

「大丈夫、私がどんなときでも、一生、永遠に、未来永劫、あなたを守ってあげるから。あはははははははははははははははははははははははははははははははは」

そこで凛里の意識はパソコンの接続のようにぷつっと音を立て途切れた……。 *
本日のオタク名言
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自分を信じるしかないよね

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雨宮 翼

Author:雨宮 翼
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Age: 管理局の白い悪魔よりは上

Birthday: 12月28日

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